2010年 06月 08日
星新一展。
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世田谷文学館で催されている”星新一展”に行ってきました。
直筆の原稿、イラスト、写真などが展示され、
彼に憧れていた中学生時代の自分に戻って楽しんでまいりました。
その昔、ボクが中学生にあがったとき、
図書館という建物の存在を初めて知りました。
小学校にあったのは”図書室”で、教室のひとつ分での広さの小さなものでした。
それに比べ、中学校の図書館は大きく古びた木造の建物で、
天井がとても高かったのを覚えています。
やさしい司書のおばさんがいて、ボクが一人で残っていると、
たまに司書室でカフェオレをご馳走してくれました。
今は無き思い出の場所です。
(木造図書館は老朽化のため、20年ほど前に解体されました。)
その頃テレビの影響で「根暗」という言葉が流行り、
おとなしく読書をするだけで「やーい根暗!」とからかわれるような時代でした。
クラスで少し浮いていたボクには、図書館は実に居心地のいい空間で、
薄暗く利用者も少ないため、誰にも気兼ねせず本棚の本を眺めていられました。
どんなことがあっても図書館に一歩入れば、上下左右見渡す限りの本宇宙です。
本の世界を探検するうちに、タイトルに引かれて「ようこそ地球さん」を借りたのが、
星新一ワールドへの初めの一歩でした。
読みやすいし、面白い。
こんな世界があったのか!
昔から読書の好きな子供でしたが、その頃は親に止められるほど読書にはまりました。
朝図書館に行き、本を3冊借り、次の朝までに読み終えて、また3冊借りるの繰り返し。
そのうち、これがSFというジャンルだと知り、
小松左京や、筒井康隆、半村良なども読み始め、
SF街道まっしぐらで現在のボクが出来上がりました。
今、毎日本と共に過ごせることをとてもうれしく思っています。
星作品との出会いがあってこそ、現在のボクがあります。
自分的には「星さんありがとう!」だ。
(実家の両親はこんなボクを嘆いておりますが。)
”星新一展”は、ボクにとっては普通の展示を超えた、自分と星さんの過去への旅でした。
ああ、面白かった。
この生き物は、ホシヅルです。
星さんが描いた落書きが基になった、SFの仲間内では有名な未来の鶴です。
このホシヅルの親子ストラップが限定販売されていたそうなのですが、
大人気で発売後1週間ほどで完売してしまったそうです。
(次回は6月17日入荷とのこと。)
とても可愛かったので、ちょっと残念だなー。
by siromame555
| 2010-06-08 00:00
| おでかけした。